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11/6デーリー東北紙天鐘の内容に疑問

11/6デーリー東北紙・天鐘に次のような記載があった。

▼月刊『本の窓』(小学館)で、種苗研究所の野口勲さんと俳優の菅原文太さんが「誰も知らない危ないタネの話」というテーマで対談している。日常口にしている作物は全てF1種(雑種一代)なのだそうだ。何がいけないのか。F1は人間で言うなら無精子症だということだ

▼自然の植物は花が咲き実を結び、そのタネを植えればまた同じ植物ができる。それが在来種(固定種)だ。F1はそれができない。病気に強い品種や収量の多い種を無理に交配し、生命に手を加えた罰であろう

(全文はhttp://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/jiten/tensyo/weekten.htm#tn111106)

さて、この文章の中で気になった部分は「F1は人間で言うなら無精子症」という部分。
野口さんはたしかに、「自家採種できず毎年種苗会社から買うしかないF1種子」をつくるには、「除雄」という雄しべを人為的に除去する方法から始まり、「自家不和合性」という近親婚を嫌がる性質を利用する技術に発展し、現在は「雄性不稔」という人間にたとえるとインポや無精子症の個体を利用する方法へと刻々変化していると述べている。http://jderby.blog51.fc2.com/blog-entry-2671.html
このことを単純化して「F1は…」と記述するのは乱暴なのではないだろうか。

ちなみに、有名なメンデルの法則は、F1同士の掛け合わせで、優性形質と劣性形質の比が3対1で出現することを説明している。しかし、雄性不稔の場合にはF1の花粉が形成されないので、F1同士の掛け合わせが不可能になる。

「(自然の植物は花が咲き実を結び、そのタネを植えればまた同じ植物ができる。それが在来種(固定種)だ。)F1はそれができない」という部分も、雄性不稔のF1の話である。
雄性不稔の形質はミトコンドリアの異常によるものらしい。ミトコンドリアは、母系遺伝するので、雄性不稔の形質を持つ花を正常な花粉で受粉させれば再び雄性不稔の形質を持つ種子ができることになる。また、雄性不稔の形質が利用される理由は、「F1種の原種維持」=F1種の生産効率が一番良いこと。↓ページをご覧ください。
http://jderby.blog51.fc2.com/blog-entry-2671.html

「病気に強い品種や収量の多い種を無理に交配し、生命に手を加えた罰であろう」。前半部分はその通りだ。しかし「生命に手を加えた罰であろう」はおかしい。種苗会社は意図して雄性不稔の形質を利用しているのであって、彼らに罰があたっている訳ではない。ただ、そのとばっちりがわれわれに回ってくる恐れはないわけではない。

「日常口にしている作物は全てF1種」という言い方も雑だと思う。かなり多いのは事実だとしても全てではないだろう(穀物と根菜類はほとんどが雄性不稔を利用したF1らしい)。

デーリー東北紙には、メールで疑問を呈した。メールが論説委員会から届いたが、訂正するつもりはないらしい。中学生が理科で遺伝のこと、F1のことを学ぶのだから、せめて「F1は人間で言うなら無精子症だということだ」という部分だけでも訂正してはどうかと二度目のルールを送ったのだが、返事はまだない。

ミトコンドリア異常(雄性不稔)の植物を食べることで私たちに人間には無精子症等の問題が発生しないのか-私たちに断りもなく、壮大な規模での人体実験が繰り広げられていると言えるかも知れない。
天鐘がこのことを伝えることになった点は評価している。

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